「本は読んだ方がいいよ」
「本読まないとロクな人間にならないよ」
無類の読書好きな兄に昔言われた言葉。
皆さんも周りの誰かしらに同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。
なぜ読書するべきなのか?
読書は知識と教養をインプットする最高の手段
私達人間には知性があります。
オギャーと生まれてから幾ばくも無く、文字の読み書きができるようになり、犬と猫の判別ができるようになり、世界の歴史や、あそこの寿司屋が美味いといったありとあらゆる情報を知っています。
それは生まれ育った土地の環境や文化習慣、親や周りの人間達の言葉、考え方、行動に影響され、自身が見て・聞いて・触れて・食べて・行動して得たものです。
つまり知性とは、環境や周りの人間に影響されて身につけたものです。
じゃあやっぱ恵まれた環境に生まれ育った人が勝ち組じゃん。
周りにはグーグルみたいな企業なんて無いし、アインシュタインやイーロンマスクみたいな人達なんていない。
田舎の貧乏で無知な親の元に生まれたワイ完全負け組。
まあ、そう言いたくもなるけども、その卑屈さを変えてくれるのが読書です。
生まれ育った環境や出会う人という、運による格差を乗り越えて、読書はあなたの世界を無限大に広げてくれます。
日常では出会わないようなすごい人の知見に触れることができる
そもそも周りに「すごい人」なんてそうそういません。(いたらラッキー)
でも本屋に行けば、日常生活では出会わないような「すごい人」が 書いた本がいっぱいあるんです!!
彼らがわざわざ自身の知見を本にまとめてくれている。
読書というのは、著者との対話です。
バカ高いお金を払わなくても、オンラインサロンとか入らなくても、千円~2千円前後で「すごい人」と対話ができる。
本を通して脳内対話し、彼らの知見に触れて影響を受けることができる。
それが読書。
しかも時空を超えて、です。
令和時代に生きる我々でもプラトンとか孔子とかの知見に触れることができる。
マルクス・アウレリウスとかなんかすごい昔のすごいっぽい人たちの本がいっぱいある。
たくさんの「すごい人」の中から自分と相性の良い人を見つけて、彼らと対話して、自分の人生にインストールすることができる。
彼らの真似をすれば自分だってその「すごい人」に近づける。
これってすごくないですか?
密度が濃い
でもYoutube開けば本の要約チャンネルとかあるし、忙しい現代人は動画でささっと要点だけ見とけば良くね?
わかる、わかるよその気持ち。
でも、本と動画じゃ密度が圧倒的に違う。
本は基本的に、何カ月も時には何年もかけて、著者の語り口で著者のまとめ方で書かれたいわばカルピスの原液。
要約チャンネルとかはだいぶうっすいカルピス。
要約チャンネルは映画のトレーラーみたいなもんで、その本の面白そうなところをかいつまんで教えてくれる素晴らしいコンテンツだけど、著者の選んだ言葉で、文脈で語られたものじゃないと、その本の本質まではなかなか伝わってきません。
また解釈は人の数だけ存在します。
先述したように、読書は著者との対話です。
他人の解釈を通して聞くよりも、自分で直接本と対話して自分で解釈するのが読書の醍醐味じゃない?
何から読めばいいの?
「読書が大切なのはわかったけど一体何から読めばいいかわからない……。」
そんな人におすすめなのがこの本。
この本は、自己啓発系のビジネス書なんて全部を読まなくても良いと教えてくれます。
どうせ読んだってほとんど忘れてしまうんだから。
じゃあどう読めばいいの?何から読めばいいの?という具体的な読書の方法について書かれています。
私がこの本を読んで気づいたことは、ビジネス書の読書は登山であり、文学などリベラルアーツ系の読書は散歩だということ。
ビジネス書を読むときは、「成功したい」「仕事に役立てたい」「知識を身につけたい」と目的が定まっています。
頂上のゴールを目指す登山みたいなもんです。
一方、リベラルアーツ書を読むときは、「何か面白いものはないかな」とふらふら散歩に出る感じ。
だからリベラルアーツに関してはたまたま目に留まったものでも何でも好きなものを好きなように読めば良い。
でもビジネス書(ゴールに到達するための手段)っていうのは、そうそう多様なものではなく、全ての道はローマに通ずで、だいたいみんな同じような内容を述べている。
だから、話題の新刊とか、ベストセラー本とか全部を読む必要はなく、むしろ古典をしっかり押さえておけばよく、では具体的にはどんな古典を読むべきか、そしてそれをどう読めば良いのか。
そんな事を具体的に教えてくれる案内書みたいな本なので、まずはこの本から読んでみることをお勧めします。
私もビジネス書って今までほとんど読んだことがなくて門外漢なんですが、この本のおかげでこれから読みたい本が一気に定まりました。
リベラルアーツ書のおすすめは?
まるで自分には関係の無い分野のもの、もしくは苦手な分野のものも幅広く読んでみましょう。
子供向けの図鑑とかも面白いし、絵の描き方の本でも良い。
本当に散歩に出るような感じで、無限に広がる自由な世界を楽しむための読書だから何を読んだっていい。
面白くなかったら全部を読まなくともポイとメルカリに売っちゃえばいい。
本が面白いと思えるかどうかは、その時の自分の状態に依拠します。
その時悩んでること、興味があることにピタッとフィットするような本は面白いと感じるでしょうが、今の自分の知性を遥かに超えた本は難しくててんで面白くないと感じるでしょう。
でも、本を読んでいくうちに、ちょっとずつ知識と教養も身に付き、面白いと思える本も少しずつ増えていくはずです。
だから今まで読書に苦手意識があった人も、読書を始めてみませんか?
いいよね、小学生向けの本から読んだって。
個人的おすすめ文芸書
ついでに私のおすすめの文学を紹介させてください。
太宰と言えば代表作品が「人間失格」なので陰鬱なイメージが強いですが、私はむしろ彼は希望を描くのとても上手い作家だなって思います。
正義と微笑は実はこのブログのタイトル「カルチュア」の由来にもなった本です。
テンポが良くてスピード感があって瑞々しくて、いかに青春が退屈でつまらないかを10代の主人公の日記形式で語っていてとても面白いです。
ふふふって50回くらい笑いながら読みました。
ちょっと面白い系のインフルエンサーのブログを読んでる感じに近いです。
四畳半神話大系みたいなテンポの良さです。
そして読後はとても清々しく希望に満ち溢れた気分になります。
いわゆる一般的な太宰のイメージをガラリと変えてくれる一冊。
Kindleで無料で読めるし2~3時間であっという間に読める量なので、ぜひ散歩だと思って読んでみてください。